日蓮聖人のお言葉一日一訓 |
28日 | お題目の功徳 |
ほう おん じょう |
報 恩 抄 にいわく |
じひこうだい まんねん ほかみらい いっさいしゅじょうもうもく |
日蓮が慈悲広大ならば、南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし。日本国の一切衆生の盲目をひらける |
くどく むげんじごく でんぎょうてんだい こ りゅうじゅかしょう ごくらく |
功徳あり。無間地獄の道をふさぎぬ。此の功徳は伝教天台にも超え、龍樹・迦葉にもすぐれたり。極楽百年の修行は |
えど いちにち こう およ しょうぞう ぐづう まっぽう いちじ おと これ ち |
穢土の一日の功に及ばず。正像二千年の弘通は末法の一時に劣るか。是はひとえに日蓮が智のかしこきにはあら |
とき |
ず。時のしからしむるのみ。 |
法華経を行ずる日蓮の慈悲が広大ならば、南無妙法蓮華経は万年も、さらにそれ以上の未来までもひろまるであろう。南無妙法蓮華経は、日本国のすべての人びとの心のくらやみをきりひらいていく功徳があり、はかりしれない地獄の苦しみの道をふさぐ功徳をもつものである。この南無妙法蓮華経を唱えひろめてきた日蓮の功徳は、これまで法華経を伝えてきた日本の伝教大師や中国の天台大師にも超え、インドの龍樹菩薩や迦葉尊者にもすぐれていると確信している。たとえ極楽で百年修行しても、このわたしたちの生きているけがれた世界で一日修行する功徳の大きさにはおよばないのである。み仏の教えが信じられていた時代や形ばかり栄えてきた時代など、これまでの二千年間に法華経をひろめてきた功徳も、み仏の教えがうしなわれ戦いにあけくれている末世のひと時にひろめる功徳には劣るのである。南無妙法蓮華経と唱える日蓮の慈悲が広大で、その功徳がすぐれていることは、けっして日蓮の智慧がかしこいからではない。法華経のひろまる時にあたっているからである。 |
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