伊豆法難


伊豆の伊東へ到着

 日蓮聖人を乗せた船は、相模灘を横断し、伊東の近くの小さな「まないた岩」に降ろして、帰っていきました。
 海で育った聖人ですから、岸まで泳ぐことは簡単なことだったでしょうが、しばし波に身を任せ法華経を読み始められたとき、小舟が近づいて聖人を助けあげました。
 小舟の主は、船守弥三郎(ふなもりやさぶろう)という漁師で、網置き場の岩屋にかくまって、奥さんとともに食事を運び続けました。
 そんなある日、地頭の伊東氏が病気になり、聖人を探し求めて、ご祈祷を依頼しにやってきました。
 罪人の身である聖人に祈願を頼むくらいですから、相当重い病気だったのでしょうが、快復したお礼にと、海の中から出現した仏像を差し出しました。
 この仏像は随身仏として、いつも日蓮聖人のそばにまつられることとなりました。

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