誕 生 |
二月十六日の夜明け、太平洋に面した千葉県天津小湊の海岸で不思議なことが起こりました。
海に蓮の花が咲き、その花の周りでたくさんの鯛が飛び跳ねたのです。ちょうどそのとき、漁師の貫名次郎重忠さんの家では、庭に泉が湧き出し、男の子が誕生しました。
「こんな不思議なことが起こった日にうまれたのだから、きっと偉い人になるに違いない」と、たちまち村中の評判になりました。
お母さんの梅菊さんは、太陽のような暖かい心を持った善い子に育ってほしいと願い、「善日丸」と名付けました。
それから十二年、善日丸は、近くの山で一番高い清澄山にある清澄寺に入って、名前を「薬王丸」と変えて、お坊さんを目指して勉強しました。
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