日蓮聖人のお言葉一日一訓
7日 臨終のことを習う
みょうほうあま ご ぜん ご へん じ
妙 法 尼 御 前 御 返 事 にいわく
にちれん                 そうらい  ねんがん                    い  いき  い  いき 
 日蓮幼少の時より仏法を学び候しが念願すらく、人の寿命は無常なり。出づる気は入る気を待つ事なし。
       つゆ   たとえ                                       さだめ な ならい         ま
風の前の露、なお譬にあらず。かしこきも、はかなきも、老いたるも、若きも定め無き習いなり。されば先ず
りんじゅう   なら  のち たじ  なら 
臨終の事を習うて後に他事を習うべし。

  日蓮は、幼少の時よりみ仏の教えを学んできたが、その折にこう念願した。人の寿命は無常である。はく息はすう息をまつことなく出てゆく。風の前の露すら、なおたとえることができないほどはかない。かしこい者もおろかな者も、年おいた者も若い者もさだめがたいのが人の世の習いである。だからまず、死に臨んで悔いない覚悟をもつことをしっかり習いさだめて、それからのちに他のことを習うべきだ、と願ったのである。


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