日蓮聖人のお言葉一日一訓
21日 恩がえし
せんにち あまご ぜん ご へん じ
千 日 尼 御 前 御 返 事 にいわく
                       にんしん      あ           ぶっぽう    あ たてまつ   いっさい ぶっぽう なか             あ         そうろう
 日蓮はうけがたくして人身をうけ、値いがたくして仏法に値い奉る。一切の仏法の中に法華経に値いまいらせて候。
    おんとく           ふぼ  おん こくしゅ  おん   いっさいしゅじょう                      なか  じふ    てん  たと     ひぼ    だいち
その恩徳をおもえば父母の恩・国主の恩・一切衆生も恩なり。父母の恩の中に慈父をば天に譬え、悲母をば大地に
たと                                 うち  ひぼ   だいおん
譬えたり。いずれもわけがたし。その中悲母の大恩ことにほうじがたし。

  日蓮は、うけがたい人間の身として生まれ、値(あ)いがたいみ仏の教えにお値いすることができ、しかもあらゆる教えの中でも、もっともすぐれている法華経にお値いできた。その恩徳がいかに重いかを思うならば、人間に生まれて法華経に値わせてくれた父母の恩、国の恩、すべての人びとの恩にむくいていかなければならない。このうち、父母の恩のなかでも、父を天にたとえ母を大地にたとえている。どちらの恩が重いかをわけへだてすることはできない。とはいえ、あえていえば、そのなかでも母よりうけた大きな恩はとてもむくいることができないほど重いのである。


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