法 話
平成18年度 「教師研修会」  秋田県修法師会・声明師会 共催
〜立正安国論の主張と帰結〜

  明年度(平成19年)から新たにはじまる宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」の実動を目前に、日蓮宗は全国各地で僧俗一体となりこの布教運動のウオーミングアップを展開している。秋田市でも日蓮宗秋田県修法師会・声明師会の共催でこの度、この運動の推進を図るべく宗祖の著述『立正安国論』を学び、正しい心の信仰を更に呼びかけるべく、教師の研修会が開催された。
 このお話は、宗祖御在世当時、今から750年前の時代背景を中心とされた講義内容です。
 第一講・第二講 ともにリアルファイル形式に変換した音声重視の収録映像です。

収録 編集 小倉 孝昭

 ● 上田 本昌 上人     昭和5年生まれ 山梨県身延町 上澤寺 御住職

                      ◇◇◇ 日蓮宗勧学院 副院長 ◇◇◇

 
 

  【宗風の宣揚を目指して】


 日蓮聖人を信じ、お題目を唱える集団は数多くある。身延山や池上を始め、各寺院へ参詣する集団がけでも多数あるのが現実である。
 そうした集団がどの様な活動をし、どの様な教義を持ち、どの様な信仰形態を持っているのか、その全容を知ることは困難であるとしても、その概要を知り、対応の仕方を考えておくことは大切なことである。

 特に日蓮聖人の最も正当な直系を自認している我が日蓮宗にあっては、他の集団よりも日蓮聖人の教学、信仰、布教活動について、責任と使命を持つこととなる。
 その際、聖人の教学を何よりも尊重し、正しい理解と布教をして行くべきである。即ち、個人の学問・研究は大いに進められるべきであるが、それは、日蓮教学と相反するものであってはならないのである。
 日蓮宗の僧侶は世間一般の学者と立場を異にするものである。即ち、本化の仏使として日蓮聖人に二陣三陣となって従い続く者でなくてはならないからである。
 従って、この基本を充分にわきまえ、同調していく集団とは共に本化の大道を歩むこととなり、これに反する者には、改善を呼びかけて行くことになる。日蓮宗だけが閉鎖的になり、他の集団から浮いた存在にならないように、宗門の主要な関係者がしっかりとスクラムを組み、魅力ある宗門を目指していかなければならない。
 それには、宗祖の目指している立正安国の思想・教学はどのようなものか、を広く知らしめて行かなくてはならない。
 宗門人が一致して宗祖の教学を真に理解し、主義主張を共に学んで行くことが不可欠である。世間にはお題目を唱える類似した集団も沢山あるが、日蓮宗は聖人の純正な流れを汲む集団として、その教学・信条を貫く上で、重要な役割を持っていることになる。
 呉々も一時的な流行や個人的な考え方、又は圧力によって左右されるようなことがあってはならない。

 今や宗門では、海外へも伝道の教線を広げつつある。海外にあっても唯一誇れる集団でなくてはならない。外国であっても基本は踏み外すことなく、しっかりかためた上で、日進月歩の布教方法を考えて行くべきである。
 若者を大いに教化し活気ある宗門として、新しい時代を進むべきであろう。基本の上に立って広く開かれた宗門として、多くの人々を教化し、以て宗風の宣揚を期すべきであると考える次第である。

上田 本昌


                     

 日蓮宗秋田県修法師会・声明師会 共催

      「18年度 教師研修会」

 収録映像はRealPlayerを通してのリアルファイル形式になっております。

  〈ダウンロードで聞く〉 
    
  ● 第一講 (1時間16分02秒 11,3MB)

  ● 第二講 (1時間14分38秒 11.0MB)

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       ● 第一講   ● 第二講

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