平成26年〈11月〉

雲奔る最上の川面秋来たる
俳句のコメント

 「雲奔る最上の川面秋来たる」

 俳句の会で「奥の細道」にゆかりのある山形の吟行にいった。

 山形は昔から紅花が盛んで、俳句のお弟子も多くて、奥の細道にも名句があり、よく知られている。
 尾花沢では、堀米西郎兵の跡を利用した「紅花資料館」を見学。少し休憩した後、大石田まで足を運んだ。なかでも俳人・松尾芭蕉は、尾花沢に四十日間も滞在して、多くの俳句を詠まれた、と。
 丁度お昼になり、日和もよかったので、最上川の土手に腰を下ろして、目の前の最上川の風景を見ながらの食事となった。昔は舟の運がもたらした多くの文人墨客が招かれていた。
 川辺には当時酒田から大石田まで、紅花や、京からの物資運搬用として使われていた舟の説明の看板があり、その日は丁度天気が良く、最上川の川幅は比較的広く、水は滔々と流れ、さすがにその水量は豊富であった。空は晴れていたが、薄い雲がたなびき、時々動いていて秋の到来を感じていた。

 大石田には仙台勤務時に訪れたことがあり、酒田河口で見た最上川の大河とは違って、落ち着いた印象であり、最上川は何時行っても風景と歴史を感ずる川である。