「ブダの丘に堂々とそびえる王宮とくさり橋」  撮影 土屋 博

平成25年〈11月〉

王宮やドナウの月を真向かいに
俳句のコメント

 「王宮やドナウの月を真向かいに」

 中央ヨーロッパ・ハンガリーの首都ブダペストでドナウ川夜の遊覧船(ナイトクルーズ)に乗った。

 町の中央を悠々とドナウ川が流れる。ブダペストの町は、川を挟んで西側をブダ、東側をペストと呼ぶ。その両側の街を挟んで有名な「くさり橋」が架かっていた。

 ブダ側は丘陵地帯で王宮をはじめ歴史的な建物が並び、豊かな自然が広がる。ペスト側は平坦な大地が広がり、大聖堂や国会議事堂、ビジネス街、官庁街がひしめき合う商業地域、まさに政治の中心地である。

 ハンガリー旅行の圧巻は何と言っても、ドナウ川ナイトクルーズに尽きる。ドナウ川の両岸にライトアップされた夜景が続き、そのダイナミックで刻々と変わるドラマチックな風景に心から感激した。中でも天上に月をうけてドナウ川の船から「くさり橋」の向にそびえる王宮の景観は圧巻であった。

 また、この「くさり橋」を詠んだ「秋風を連れて電飾の鎖橋」も思い出に残る句となった。

 〜セーチューニ鎖橋〜
 1842〜46年に建設された吊り橋で、長さは380メートル
 戦後、開通100周年に当たる1949年に再建、開通式が行われた。