平成25年〈10月〉

かなかなや空き地となりし父母の家
俳句のコメント

 「かなかなや空き地となりし父母の家」

 父が定年55歳で家を建て、家族八人がそろって憩える家が出来た。父はその4年後の私が結婚した年に他界した。母はまだ結婚していない妹と3人の弟を世話して、その後、独り住まいを続け80歳を前に世を去った。

 その後は、妹にこの家を託したが、そろそろ整理するころになった。沢山の思いでのあった家は4年前に母の思い出のこもった家具を整理して家を取り壊した。

 この句は一昨年、秋田に里帰りした時に詠んだ句で、4年前に家を取り壊した場所は空き地となっていた。父母と妹、弟との当時の生活を思い出して、しばし立ち止まっていたら、近所の庭から蜩の声が静かに聞こえてきた。

 今年は小学校同期会の前日に、妹家族と一緒に男鹿半島にドライブして、久しぶりに昔を懐かしんだ。