「上野公園 不忍池」 撮影 土屋 博
平成25年〈5月〉
「ふるさとに耳聡くなるさくら時」
みちのく秋田を離れて五十余年経ったが、古里は懐かしく何時も気になる所である。 東京では時々秋田出身の仲間と会ってはいるが、秋田には健在な妹弟と、多くの友がいる。古里秋田の動きには何時も関心を持っているが、やはり春の桜時が一番気になる。 寒く雪の多い冬から、春に向かって色々なものが一気に動き出してくると、普段あまり気にならないニュースも秋田という言葉で敏感になる。 今年の冬はいつになく寒く大雪との便りを聞いていたので、古里の春の訪れに特に関心を持っていて自然にこの句が出来た。 今年の東京の桜はいつもより早く咲き、その後寒気となり、花見が長くできた。
「井の頭公園の桜風景」 撮影 土屋 博