俳句のコメント
「立雛の一刀彫の潔し」
今年1月に句集「北緯四十度」を上梓しました。俳句を詠み始めて十二年、喜寿を迎えたのを機に、これまで詠んできた俳句を整理しようと思ったのです。
この句集の題名「北緯四十度」は、秋田県男鹿半島入道崎の突端に北緯四十度線が通っており、また、私の俳句「菜の花や北緯四十の岬」に因んで付けました。そして、句集の最初の句は大好きな「立雛の一刀彫の潔し」としました。
私の家に、一刀彫りの立雛があります。平面を多用して簡素でしかも品があり、ストレートな感じが好きで詠んだ句です。一刀彫り人形は平安時代の神事に使われたのが始まりで、品格の良さなどの伝統は今日まで引き継がれていると思います。
この立雛は、娘が奈良旅行の記念に買ったものです。春になり、亡き義父が娘の誕生祝に購入した木目込み夫婦雛と一緒に飾ると、春の訪れと共に家の中が華やかになります。
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