撮影  土屋 博 

平成25年〈1月〉

ボロ市や雑踏の中に紛れたし
俳句のコメント

 「ボロ市や雑踏の中に紛れたし」

 ボロ市は、私の住んでいる東京世田谷区にある昔の代官屋敷通りを中心に開かれている市で、400年以上続いている。

 ボロ市の由来は、明治の頃に農夫の作業衣の繕いや、草鞋(わらじ)への編み込みに使われる襤褸(ぼろ)がたくさん売れるようになり、ボロ市と呼ばれるようになったそうである。

 道端に古道具、せともの、食料品などを売る沢山の露店が並んでいるが、最近は昔の物と新しい物が混在するフリーマーケットに変わって来ている。

 毎年、1月と12月の15日、16日に開催される。例年多くのお客でごった返し、前に進むにも時間がかかる混雑ぶりである。

 ボロ市になると、人混みの中に入り込み、ボロ市通りを入り口から出口まで人に揉まれながら歩くのが常だった。それが、いつもの靜かな生活の息抜きになり、気晴らしになる。そのため時期が来るとつい行って見たくなるのである。