(秋田県山本郡三種町の田圃 2012.6.29撮影)

〈7月〉

北を往く植田を過ぎて青田へと
俳句のコメント

 「北を往く植田を過ぎて青田へと」

 就職して東京から秋田へ年に数回、ほぼ40年の間往復している。両親が他界してからは妹弟、小中高の友人と会うため、年1〜2回の秋田行きは続いている。

 東京を出発すると、いつも途中の景色を楽しみながらの旅になる。天気の良い日は栃木県に入ると那須岳を眺め、みちのくに入ると吾妻小富士、次に蔵王連峰となる。

 春は、田植えのあと苗は風に揺れて水面がキラキラ光り輝いている。暫く進むと田圃は一面に青くなっているのに気が付いて、不思議な気持ちになりこの句が出来た。

 これは、みちのくの冬の訪れが早く、稲の霜害を防ぐために早く田植えすることを知った。日本の四季がこのようなところにも、微妙にかかわっているのですね。

※ 農水省の統計資料により、田植えの時期は北が早く、南が遅いことを確認した。
  (一期作)


(東京駒場の植田 2012,6,17 土屋 博 撮影)
この田圃は明治政府が農業技術者を養成するために明治11年に設置した「駒場農学校」の実習地の跡です。
現在は筑波大学に継承されて付属中学校、高等学校の教育水田となっている。この写真は今年6月に生徒たちが田植えをした田圃の一部を撮ったものです。尚、秋には生徒たちによる稲刈り、収穫祭が行われます。