在りし日の父・母

〈2月〉

新酒酌む父のモノクロ写真帳
俳句のコメント

 「新酒酌む父のモノクロ写真帳」

 冬は熱燗のお酒が美味しい季節です。新酒を飲むと晩酌が好きだった父の姿を思い出す。戦中戦後の大変な時に、八人家族を養うため苦労の連続だった父は、定年退職して3年目の60歳を目前にして病で亡くなった。

 私が就職してからは、休日を利用し、旅行を兼ねて私を訪ねて来たことが数回あった。その時は私が名所旧跡を案内するのが常で、少しは親孝行が出来たと思っている。

 父は温和で仕事熱心であり、家族思い出あった。もう少し長生きして我々子供たちの成長を見守りながら、もっと好きなお酒を楽しんで欲しかった。

 昭和30年代は、白黒の写真が一般的な時代で、私のカメラで撮った父の写真はすべて白黒である。母は比較的長生きであったため、カラー写真も沢山あるが、父のカラー写真は私の結納の時に撮った写真だけである。

 ※ 今月の俳句には大変嬉しいことがありました。私の参加している俳句会「野の会」の俳句雑誌1月号の巻頭「今月の一句」に私の句が初めて載ったことです。



在りし日の父 日比谷公園から電電公社本社ビルをバックに(昭和36年)


俳句雑誌「野の会」1月号〜巻頭〜