東京タワーから見た現在の都心

〈12月〉

タワーからわずかに議事堂冬の空
俳句のコメント

 「タワーからわずかに議事堂冬の空」

 「スカイツリー」がほぼ完成し、いよいよ来年はオープンとなる。昭和33年暮れにオープンした「東京タワー」は、長い主役の座を「スカイツリー」に譲ることとなる。

 「東京タワー」の思い出の中には、就職して最初のボーナスをはたいて、友人と同じ時期にカメラを購入したことがある。その友人とは一緒に学び、同じ会社に就職し、趣味が同じで気が良く合ったので長い付き合いになっている。

 友人はタワーの完成の時、タワーの展望台から東西南北の写真を撮っていた。最近になってその友人からタワー完成時と半世紀後の今日の写真を見せてもらい、当時のことを思い出し、この句が出来た。

 東京タワー時代は、私にとって会社に就職した年と重なり、青春時代から働き盛りの時、そして今日までの楽しい思い出の沢山ある良き昭和時代であった。

 当時のビルの高さは30メートルと制限されており、議事堂を遮る建物はなく、広い皇居もはっきり見えた。現在は、高層ビルが林立して、議事堂はわずかに見える程に都心は変貌して隔世の感がある。






東京タワーオープン時の都心


師走の空に浮かぶ東京タワー