〈11月〉

母の忌の大輪の菊居間にあり
俳句のコメント

 「母の忌の大輪の菊居間にあり」

 私は体には自信があったのですが、10月肺炎にかかり、思いがけず2週間の入院のため11月の「今月の俳句」に間に合わず、お上人様に私の句集「白神」より選んでいただき大変恐縮しております。お陰様で11月3日に無事退院しました。早速メールでコメントを送った次第です。

 母の祥月命日は11月であり、居間には母が好きだった菊を活けている。
母は戦中、戦後の大変な時期に、我々六人の子供と、従妹を預かり高校入学まで育てた。信仰に篤く、お寺の行事には欠かさず参加しており、お寺の催す身延の団参 総本山・久遠寺にも度々同行していた。東京の私の家にも時々滞在しており、その時は身延山へのお参りを心待ちにしていた。東京に暫くいると、「やっぱり生まれ育った秋田がいい」と言って、数日で帰るのが常だった。

 来年は母の23回忌で、古里秋田で妹弟家族一同久しぶりに集う法事をと考えている。

 もう一句私の好きな句を記します。母を最後まで看取ってもらった妹といつも母のことを話しており、この句が出来ました。

『凌霄花(のうぜんか)妹(いも)と語りし母のこと』