俳句のコメント
「雲海へ足踏みだしている寝覚め」
若いときに友人と槍ヶ岳、穂高山に登った。東京から夜行列車で行き、松本駅でバスに乗り、登山基地の上高地から北穂高山を目指した。
頂上近くには、鎖や鉄ハシゴがあり、慎重に登ったことを覚えている。その日は山頂直下の小さな山小屋に泊まった。登ってきた人の泊まりは断れないきまりになっている。大変驚いたのは、当日は山小屋に大勢の登山客があり、タタミ一畳に3人がそのままの服装で寝たことであった。
3人並んでは寝られないので、互い違いに寝たことを今でも忘れない。
翌日早朝に頂上に向かい、素晴らしい雲海に遭遇し、秀麗な槍ヶ岳や北アルプス山々の360度パノラマ光景に出合った。その日は、難しいルートを避けて槍ヶ岳の頂上に登り一泊して、上高地に降り、大正池などを観光して松本経由で帰路に着いた。
この時の雲海の光景はいつまでも脳裏にあり、俳句を詠むようになってから思わずこの句ができた。
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