〈5月〉
『バス降りる娘(こ)の「ありがとう」里の春』
友人と信州旅行に行った帰りの道であった。その日はのどかな日和であったので、回り道して田舎のバスに乗った。乗客は5,6人で、あたりの風景を見ながら友人と取り留めのない話をしていた。 途中バス停にバスが止まり、カバンを背にかけた中学生の娘さんが降りた。降りる前に運転手さんの方を向いて大きな声で「ありがとう」と言って丁寧にお辞儀をして降りていった。 思わずその娘さんの姿、行動に感激してこの句ができた。その日は一日いい気持ちで過ごしたことを思い出している。