庭の雪景色(自宅) 撮影:土屋 博氏
〈3月〉
「何もないことの幸せ春の雪」
私の父は五十歳代、母は七十歳代で他界した。親孝行が十分できなかったことを悔やんでいる。 妻の両親は八十歳代まで割合元気であったが、高齢に向かうので、同居して両親の世話をすることになった。妻は十数年にわたり両親を扱い、無事に送り出した。その後は平穏な暮らしに戻った。 東京はめったに雪は降らないが、たまには春先に雪の降ることがある。家の庭の植木や鉢植えもすべて雪で白くなり、音もない静かな佇まいとなる。 柔らかく積もった庭の雪をみてこの句ができた。
蔵王の樹氷をバックに