〈12月〉

きりたんぽとうに忘れし国訛
俳句のコメント

 「きりたんぽとうに忘れし国訛」

 きりたんぽは子供の頃から、何かあるときの特別な料理として食べることが多かった。比内地鶏の肉、舞茸、せり等の野菜をふんだんに使い、新米で作った「きりたんぽ」をいれた郷土自慢の料理である。

 古里を離れてからは、毎年母がきりたんぽを送ってくれた。母の没後は妹が送ってくれている。田舎を離れ半世紀、今では秋田弁を話す機会もなくなってしまった。

 毎年、小中高の同期の会と弟妹に会うときが「秋田弁」に接する僅かな機会である。仲間の秋田弁は良く判るが、なかなか自分の口からは秋田弁が出てこない。会の終わり頃になって少し話せるようになる。

 また、きりたんぽと言うと、毎年新年に秋田県人の集まりの会が此処東京である。秋田の銘酒はもとより、期待のきりたんぽ料理も出るので楽しみである。