俳句のコメント
「秋うらら塩屋岬で俺おまえ」
還暦を過ぎた頃、40年前に一緒に学んだ仲間で久し振りに旅行することになった。候補地は北茨城の五浦(いづら)海岸の一泊旅行に決まった。
五浦は横山大観等が岡倉天心のもと、日本美術院の拠点とした研鑽の場所でもある。五浦海岸は、大小の入り江と磯、50メートルの断崖絶壁が連なり、日本の渚百選、白砂100選の名勝でもある。
バスをチャーターし、最初に「七つの子」などで有名な作詞家・野口雨情の生家を訪ねた。時間に余裕があるので、急遽少し先の塩屋岬まで行くことになった。思ったより時間がかかり、岬に着いたのは夕暮れに近くなってしまった。
灯台に登るのは止めて、小公園から灯台と太平洋を望んだ。公園には美空ひばりの「みだれ髪」の歌碑と遺影碑が建っていた。
40年前に授業、実験、スポーツを一緒にし、今でも俺おまえと呼び合える仲間を前にしてこの句ができた。今もも年に数回の会合を楽しみにしている。
美空ひばりのファンを自称する私のひばりを詠んだ最初の句となった。
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