俳句のコメント
「命ありてとりわけ花の美しき」
70歳に近づいてもまだ体には自信があった。用心のため人間ドックを毎年受けている。
私は毎年、冬のスキーを楽しみにしていた。その年もスキーに行く準備をしていたら、突然に病院の医師からドックの結果、再検査の必要があると言われた。結局入院となり、腎臓の摘出手術を受けることになってしまった。
この宣告を受けた時は割合、冷静でいられたと思うが、それでも最悪のことが頭をよぎる時があった。
無事に退院でき自宅に戻ったとき、今まで気付かなかった身の回りの世界、直ぐ傍の、むしろ自宅の庭の花を見て、安堵の気持ちホットした気持ちになり、静かに息づく命の尊さ、殊に花の美しさが私の心を打ち、目にしみてこの句ができた。
幸い、手術から6年を経て、お陰様で平穏な日を過ごしている。
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