土屋 博氏 撮影

〈12月〉

極月や絵馬ずっしりと重なりぬ
俳句のコメント

 「極月や絵馬ずっしりと重なりぬ」

 暮れも押し詰まった日、久し振りに明治神宮を訪れた。師走の神宮は訪れる人も少なく、静かな佇まいであった。

 手水場で手を清めて、本殿の方に向かうと、少し離れたところに屋根のある絵馬を掛けてある場所があった。良く見ると絵馬は幾重にも重なり、それは大きな塊に見えた。

 思い思いの願いの書かれた祈願の絵馬が溢れていた。その様相はさすがに大神宮の貫禄であった。

 いつになっても「神頼み」は無くならないもの、若き日の絵馬奉納に思いを馳せて、しばし絵馬の前に立ち止まり、それから本殿へと向かった。