尾瀬ヶ原 土屋氏撮影
〈6月〉
「全方位ホルン響かせ山開き」
サントリーホールでクラシックの曲を聴いた。その曲はホルンの独奏する牧歌的な雰囲気を持った曲であった。その時、ふと、以前に槍・穂高登山の基地となる上高地に行った時の情景と、広々とした尾瀬ヶ原の湿原を思い出した。 ヨーロッパのアルプスは角笛が昔から使われ、日本ではホラ貝が活躍した。現代ではホルンがそれに代わるのであろうか。 上高地を訪れた時は、山開きのあとであったが、梓川のほとりで、唐沢のカールの先に穂高岳を望む所に立って、ブラスバンドのホルンが響き渡る光景を想像して、この句ができた。