月例金曜講話 〔私の立正安国論〕 講話資料 (18年7月7日)
〜「立正安国論」から「お曼荼羅」へ〜
中尾堯文
1.お題目と「感応道交(かんのうどうきょう)」
2.末法の世にはじめて現れた「南無妙法蓮華経」のお題目
悩める衆生がまずあってこその「お題目」
3.『立正安国論』の冒頭 末法の世の姿
旅客来りて嘆きて曰く。近年より近日に至り、天変地夭・飢饉疫癘、遍く天下に満ち、広く地上に迸る。牛馬は巷に斃れ、骸骨は路に充てり。死を招くの輩は既に大半に超え、これを悲しまざるの族は、敢えて一人も無し。(中略)屍を臥して観となし、尸を並べて橋となす。
(中略)三宝世に在し、百王はいまだ窮まらざるに、この世は早く衰え、その法は何ぞ廃れたるや。これ何の禍いにより、これ何の誤りによるか。
4.「末法の世」
正法の世 教・行・証がそろう 1000年
像法の世 教・行があるも証は失われる 1000年
末法の世 教のみあって行・証は失われる 10000年
永承七年(1052)に末法に入る
5.仏法の秩序が失われる
釈尊の説法 「五時八教」
第一 華厳時 華厳経
第二 阿含時 阿含経
第三 方等時 維摩経・思益経・金光明経
第四 般若時 般若経
第五 法華・涅槃時 法華経・涅槃経
6.法華経と涅槃経がもっとも優れている。
涅槃経は、法華経を聞かなかった増上慢のために説く
釈尊説法の順序を崩す者→謗法者
法然の主張を批判する真意
7.受難の預言
「他国侵逼の難」 他国からの侵略
「自界叛逆の難」 内乱が起こる
8.楽土の預言
汝、信仰の寸心を改めて、実乗の一善に帰せよ。然れば三界は皆仏国なり。仏国それ衰えんや。十方は悉く宝土なり。宝土なんぞ壊れんや。国に衰微なく、土に破壊なくんば、身はこれ安全にして、心はこれ禅定ならん。この詞この言、信ずべく崇むべし。
9.庵室の襲撃 松葉谷法難 文応元年
10.伊豆伊東への配流 弘長元年
11.小松原法難 瀕死の重傷を負う 殉教者を出す 文永元年
12.蒙古の国書来る 「他国侵逼の難」の預言的中 文永五年
13.鎌倉で逮捕される 龍の口法難 佐渡配流 文永八年
14.はじめての「お題目」を揮毫 依智の本間邸で
光明の表現 「光明点」
15.曼荼羅の揮毫 「守護曼荼羅」 「佐渡百幅」
折り畳んで身につける
16.『佐渡始顕の曼荼羅本尊』(絹本) 文永十年七月八日
17.『臨滅度時の曼荼羅』身延山で揮毫 弘安九年三月
この「お曼荼羅」の複製を掲げて、大要の説明で終わります。
ご静聴有難うございました。