〔月例金曜講話資料〕 平成18年 2月10日
「私の立正安国」
〜いのちの不思議に気づく〜
野坂 法行
☆宗教・仏教というのは、不思議にも人間としてこの世にいのちを授かった自分がそれにどう気づき、
どう受け止め、どう生きるかを考える根本の教え。
☆「法灯明・自灯明」法(ダルマ)をより所として、その法をよく承知した己をより所としなさい。
(仏教の開祖釈尊)
☆わけても日蓮聖人が大切にし、生涯の行動の規範にされた
法華経(仏教のメインの教え=正法とも称す)は人間が人間として、人間らしく生きる大本の教え。
☆正法(法華経・仏教・宗教)が尊重されれば個人には心の安らぎが、その個人が構成する社会
国・人類社会には本当の安定・秩序と平和がもたらされる
=このような状況を日蓮聖人は立正安国と言われた。
☆・宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。
・国及び地方公共団体が設置する学校は特定の宗教の為の宗教教育をしてはいけない。
(教育基本法第九条一・二項)
☆仏教(法華経)という宗教の人間に対して持っている基本的な認識《一切衆生悉有仏性》すべての
生きとし生けるものは悉く仏性、すなわちそれぞれにかけがえのないいのち(個性、持ち味)を持っ
ている。=人、みなに美しき花あり。
☆「悉有仏性」という仏教(法華経)の考え方を基にして、私たちの生き方・あり方、人間関係構築の
三つのポイント。
@それぞれの子・人・民族が持っている特性(花)を進んで認め、それが開花し、進歩するよう願う。
Aそれぞれの子・人・民族の自主性と自立性を重んじて自己決定を促し、また様々な体験を通して
己の存在と他の存在を生かすため創意工夫する。
Bいのちはいのちによって支えられていることを常に承知する。日に三度の食事は生き方・生きる
姿勢=正法を確認する大事な宗教行為であることを忘れない。
☆人・民族はそれぞれに必要と訳があって存在している。一人一人・各の民族の文化や自主性を
大切にして、自分の勝手や思いこみで切り捨てたり、差別したり、ましてや踏みにじったりしては
いけない。日蓮聖人はこうした理念を曼荼羅本尊として表現された。
☆法華経・題目の僧侶とかそれを信じる人=仏教徒は、この世に縁あって生を受けた人々や各々の
民族がその本分を自覚してイキイキ・キラキラした人生・日常を送るためのサポート役。
☆吹く風、ゆらぐ木草、流れる水の音までも妙法の五字を唱えずということなし
(すべてが妙法=正法に裏打ちされてある。それに気づくことが安国につながる)
ーーーーーーーーー日蓮聖人のご主張。
☆お題目は妙法=正法(宇宙の摂理)の真っ只中にある自分と妙法=正法に支えられてあるこの
世界をしっかり認識・承知する手だて。